就活の最初に、志望業界や将来の仕事をすべて決める必要はありません。まずは「自分が気になること」と「まだ分からないこと」を分け、次に調べる内容を決めてみましょう。
自己分析、企業研究、応募書類、面接対策。やることが多く感じるときは、一つずつの作業を小さくするのが出発点です。この記事では、就活をどう進めればよいか迷っている新卒の方に向けて、最初に整理したい5つのことを紹介します。
1. 関心があることを「経験した場面」から見つける
いきなり「やりたい仕事は?」と聞かれても、答えが出ないことがあります。そんなときは、授業、ゼミ、アルバイト、部活動、日常の取り組みを振り返り、興味を持てた場面を挙げてください。
例えば「相手の困りごとを聞いて提案するのが好き」「情報を調べて分かりやすくまとめるのが楽しい」といった言葉からでも始められます。反対に、苦手に感じた場面も、仕事を調べるための手掛かりです。
仮の記入例なら、「授業の発表で資料を作るのが面白かった。特に、複雑な内容を整理する作業に集中できた」と書けます。そこから特定の職種にすぐ結び付けず、似た作業がある仕事を調べてみましょう。
自己理解の補助には、厚生労働省のマイジョブ・カード『学生の方へ』も使えます。学生向けに、経験や強み、今後のキャリアを整理する様式が案内されています。
2. 自己PRの前に「自分がしたこと」を集める
強みを考えるとき、大きな大会の実績や役職がないと書けないわけではありません。まずは、自分がどんな状況で、何を考え、どのように行動したのかを整理します。
メモは「場面・自分の行動・学んだこと」の3項目に分けてみましょう。仮の例では、「アルバイトで引き継ぎ内容が伝わりにくかった」「確認事項を一覧にして共有した」「相手が必要とする情報を先に整理する大切さを学んだ」という形です。
グループの成果と、自分の担当した部分も分けておくと、説明する内容が具体的になります。後から質問されても話せるよう、覚えている事実を中心に記録してください。数値が不明な成果や、他の人が行ったことを自分の実績として足す必要はありません。
最初は箇条書きで十分です。応募先の仕事を理解してから、どの経験を伝えるか選び、自己PRの文章に整えていきます。
3. 会社名より先に「どんな仕事をするか」を調べる
会社を知っていることと、そこで働く人の仕事を知っていることは別です。気になる企業を見つけたら、「誰に、何を提供する事業か」「入社後はどんな業務を担当するか」を分けて確認しましょう。
まだ職種が分からない場合は、厚生労働省の職業情報提供サイト『job tag』で仕事の説明を見て、関心のある作業から調べる方法があります。そこで得た職業全般の情報は、各企業の採用ページや募集要項と照らし合わせてください。
調べる際は、情報の出典と確認日も残すのがおすすめです。SNSの投稿や印象だけで決めず、公式の募集要項、説明会、採用担当者への質問などで確かめます。
仮の質問例は、「配属はどのように決まりますか」「入社後に最初に担当する業務は何ですか」です。書かれていない情報は、想像で埋めず質問リストに置いておきましょう。
4. 希望条件は、理由と一緒に仮置きする
勤務地、仕事内容、働く時間、休日、給与、学べる環境などを並べ、今の自分にとって何が大切かを考えます。最初から細かく決めきる必要はありません。
例えば「勤務地を重視したい」なら、家族との生活、通勤、住まいなど、そう考える理由を添えましょう。「成長できる会社」という希望なら、どんな経験を積みたいのか、どんな支援があると取り組みやすいのかまで考えると、調べる項目が具体的になります。
希望は「外せないこと」「できればかなえたいこと」「まだ判断できないこと」の3つに分けます。企業や仕事を知って考えが変わったら、書き換えて構いません。周囲と同じ条件を選ぶのではなく、自分が納得して説明できる理由を探すことが目的です。
5. 次の行動を、一つの予定にする
調べた情報が増えても、何をするかが決まっていないと手が止まりやすくなります。「就活を頑張る」ではなく、終わりが分かる作業を一つ選んで予定に入れてみましょう。
例えば「気になる仕事を一つ調べる」「経験を一つメモする」「学校のキャリアセンターで相談の予約方法を確認する」といった作業です。応募が決まったら、その企業の募集要項で締切や必要書類を確認し、準備する順序を考えます。時期は企業や募集によって異なるため、周囲の進み方だけを基準にしないようにしましょう。
相談先に伝える内容も、完成した志望動機でなくて構いません。「職種が決まっていない」「自己PRに使える経験が分からない」など、今つまずいていることを一言にしておくと、相談の入口になります。
今日できる就活チェックリスト
- 興味を持てた経験を一つ書いた。
- 自分が行動した場面を、事実に沿ってメモした。
- 気になる仕事を一つ調べ、分からないことを質問にした。
- 希望条件と、その理由を一つ書いた。
- 次の小さな作業を予定に入れた。
5つ全部が埋まらなくても、書けた部分と分からない部分が見えれば、次に進む材料になります。考えることと、仕事について知ることを行き来しながら、自分の言葉を少しずつ増やしていきましょう。
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